狩猟鳥獣

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狩猟鳥獣一覧

狩猟鳥獣は、我が国に生息していると考えられる約550種の鳥類、約80種の獣類(モグラ・ネズミ類、海棲哺乳類を入れた場合は約160種)の中から、狩猟対象としての資源性(肉、毛皮の利用など)、生活環境、農林水産業又は生態系に対する害性の程度、個体数などを踏まえて、狩猟鳥類28種、狩猟獣類20種の合計48種が定められています。

鳥類(28種)

きじ科
エゾライチョウ、ヤマドリ(注:亜種コシジロヤマドリを除く)キジ(注:亜種のコウライキジ*を含む)、コジュケイ*
かも科
ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ
はと科
キジバト
う科
カワウ
さぎ科
ゴイサギ
くいな科
バン
しぎ科
ヤマシギ(注:アマミヤマシギは別種)、タシギ
からす科
ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
ひよどり科
ヒヨドリ
むくどり科
ムクドリ
すずめ科
ニュウナイスズメ、スズメ

動物(20種)

いぬ科
タヌキ、キツネ、ノイヌ*
ねこ科
ノネコ*
いたち科
テン(注:亜種ツシマテンを除く)、イタチ(注:オスに限る)、シベリアイタチ*(注:対馬では在来種で禁猟。旧名チョウセンイタチ)、ミンク*、アナグマ
あらいぐま科
アライグマ*
くま科
ヒグマ、ツキノワグマ
じゃこうねこ科
ハクビシン*
いのしし科
イノシシ(注:雑種のイノブタを含む)
しか科
ニホンジカ(注:亜種のエゾシカ等を含む)
りす科
タイワンリス*、シマリス(注:亜種のチョウセンシマリス*を含む。)
ヌートリア科
ヌートリア*
うさぎ科
ユキウサギ、ノウサギ

*は外来種

※狩猟鳥獣と誤認されやすい非狩猟鳥獣

オオバン、ドバト、ツグミ、ウズラ、ニホンザル、イタチ(メス)、ムササビ、ニホンリス、モモンガなどは、狩猟対象ではありません。

  • (イラスト提供 藤岡奈保子、松原巌樹、山本正臣)

    キジ目

    エゾライチョウキジ目キジ科

    分布

    北海道のみに分布。留鳥。

    特徴

    全長は約40cmで、胴体はカラスよりやや小さい。雌雄同色・同大で、ライチョウと異なり羽色の季節変化はない。全体が褐色で、細かい黒褐色や赤褐色の斑紋が点在する。 オスののどは黒色でその周囲を白色帯が取り巻いている。頭頂には短い冠羽があり、緊張すると立ち上がって目立つようになる。

    習性

    平地から山地にかけての森林域に生息し、特に針葉樹林等の林床に多い。驚くと、林床から飛び上がって近くの樹木の下枝に止まり、周囲の様子を伺うことが多い。ライチョウと異なり、ハイマツ林や高山草原などには見られない。 雑食性で、主に陸上でナナカマド・ノブドウの実や昆虫などを食べる。体の割合に飛び立ちの羽音が大きく、低く直線的に飛ぶ。地上に営巣。笛のような声で鳴く。

    コジュケイキジ目キジ科

    分布

    北海道、沖縄を除き、全国的に分布。留鳥。東北や北陸などの雪の多い地方には少ない。中国原産の移入種。 狩猟鳥としての保護増殖を図るため、以前は、各地で放鳥が行われていた(特に1955年ごろから十数年間、大日本猟友会が三宅島(東京都)で生け捕りにしたものを全国各地に供給した結果、全国的に分布するようになった)。

    特徴

    全長は約30cmで、胴体はハトぐらいの大きさ。尾は短い。雌雄同色・同大。体は褐色で、ほおが赤くてその上下が青灰色であること、黄褐色の腹部に丸みのある黒色横斑があることが特徴。体型も丸みを帯びている。

    習性

    平地から山地にかけての人家付近の雑木林や農耕地、河川敷などに生息し、人家付近の竹やぶや雑木林などで数羽から十数羽の群れをつくっていることが多い。追われた時は、一群が一斉に飛び立ち、地面に沿って低く直線的に飛ぶ。 チョットコイと聞きなしができる高い声でよく鳴く。雑食性で、主に地上で採食。ソバ等の農作物に加害することがある。営巣場所は林床などの草むら。

    捕獲制限数

    1日5羽

    ヤマドリキジ目キジ科

    分布

    北海道と沖縄を除き、全国的に分布。留鳥。人工養殖されたものが各地で放鳥されている。

    特徴

    全長はオスが約120cm、メスが50cmで、胴体はカラスぐらいの大きさ。長い尾を持つ。雌雄異色・オス大。オスは全体的に赤褐色で、眼の周囲に赤い裸出部があり、尾が著しく長い。オスの体色などから、幾つかの亜種に分類されていて、南方のものほど赤みが強くなる。 また、メスは全体的に茶褐色で、眼の周囲の裸出部はオスより小さく灰褐色。尾羽は短めで、飛翔時には赤味の強い褐色で、先端が白いことが特徴的。

    習性

    主として山地の森林域に生息し、特に沢沿いの湿気の多い茂った森林でよく見られる。驚くと下方の谷筋に向かって降下する習性がある。雑食性で、主に木の実や緑餌を地上で食べる。

    類似種とその識別

    全体赤褐色で尾の長いオスには特に識別に困る類似種はない。ヤマドリのメスはキジのメスに似ているが、地色が濃いこと、尾羽がより短く、赤みが強いこと、主たる生息環境が異なることなどによりキジのメスと区別できる。

    捕獲制限数

    ヤマドリ・キジ(亜種のコウライキジを含む)の合計が1日2羽。ヤマドリの捕獲を目的とした放鳥獣猟区以外では、ヤマドリのメスの捕獲は禁止されている。

    キジ(亜種のコウライキジを含む)キジ目キジ科

    分布

    キジ(亜種のコウライキジを除く)は、北海道と沖縄を除き、全国的に分布。留鳥。国鳥とされている。亜種のコウライキジは中国・朝鮮半島原産の移入種。対馬と北海道に狩猟の対象として放鳥した結果、野化したもの。

    特徴

    全長はオスが約80cm、メスが約60cmで、胴体はカラスぐらいの大きさ。長い尾を持つ。 雌雄異色・オスやや大。オスは全体的に緑色で、長い尾と、顔に赤く大きな裸出部があることが特徴で、首から腹部にかけての光沢の強い暗緑色と、背部の明るい青灰色とのコントラストが目立つ。メスは、全体的に茶褐色で、細かい黒色小斑が点在している。

    習性

    平地から山地にかけての草原や農耕地、河川敷などに生息し、耕地付近の明るい林などでよく見られる。植物質及び動物質のものを食べる雑食性で、地上で採食することが多い。

    類似種とその識別

    オスは独特の配色と長い尾羽から細別に困る種はない。メスはヤマドリのメスに似ているが、地色が薄く、尾羽がより長く、赤みを欠くこと、主たる生息環境が異なることなどによりヤマドリのメスと識別できる。

    捕獲制限数

    ヤマドリ・キジ(亜種のコウライキジを含む)の合計が1日2羽。キジの捕獲を目的とした放鳥獣猟区以外では、キジのメスの捕獲は禁止されている。

    カモ目

    マガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。ただし、本州の山地や北海道では少数が繁殖。

    特徴

    全長は約60cmで、胴体はカラスよりやや大きい。カモ類では、カルガモと並んで大型。雌雄異色。オスの方がメスよりやや大きい。 オスは、緑色の頭部、白い首輪、鮮やかな黄色いくちばしが目立つ。また、カルガモと同様に、飛翔時に翼の下面の白が目立つ。メスは他のカモ類のメスと同様に、全体が褐色の地味な色調。

    習性

    陸ガモの一種で、水面に浮いたまま採餌を行う。植物食。日中は、河川や湖沼などの水上にいることが多く、夜間、草地や農地などに採食のために飛来するものが多い。 ゲーイゲーイ、ググググ…などとよく鳴く。飛翔は直線的。営巣場所は地上(水辺近くの草むら)。

    類似種とその識別

    メスは地味な色調のため、識別がやや難しい。

    カルガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に分布。留鳥。

    特徴

    全長は約60cmで、胴体はカラスよりやや大きい。カモ類ではマガモと並んで大型。狩猟鳥のカモ類の中では、カルガモのみが雌雄同色。オスの方がメスよりやや大きい。 全体が褐色で地味な色調だが、首が長めであること、黒っぽい過眼線(眼を前後に横切る線条)があること、くちばしは黒いが先端だけは黄色いこと、体の前方から後方にかけて徐々に黒みが増すこと、三列風切の縁が広くて白いことなどが目立つ。 また、マガモと同様に、飛翔時に翼の下面の白が目立つ。

    習性

    陸ガモの一種で、水面に浮いたまま採餌を行う。植物食。日中は、河川や湖沼などの水上にいることが多い。夜間、草地や農地などに採食のために飛来するものが多い。稲に加害する。 飛翔は直線的。マガモより警戒心が強い。営巣場所は地上(水辺近くの草むら)。

    類似種とその識別

    メスは地味な色調のため、識別がやや難しい。

    ヨシガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来するが、本州中部以南に多い。冬鳥。ただし、北海道では少数が繁殖。

    特徴

    全長は約50cmで、胴体はカラスよりやや小さい中型のカモ。雌雄異色・オス大。オスは、灰色の体部、光沢のある栗褐色の頭部、長い冠羽、白いのど、長くみの状に垂れ下がった三列風切などが目立つ。 メスは、他のカモ類のメスと同様に、全体が褐色の地味な色調だが、やや茶色みがかった褐色で、頭部が灰色がかっている。

    習性

    陸ガモの一種で、水面に浮いたまま採餌を行う。植物食。湖沼や河川、内湾などにいることが多い。通常、あまり大きな群れはつくらない。 マガモやコガモなどと異なり、小さな水域には少ない。夜間、草地や農地などに採食のために飛来するものがある。オスはピュルルピュルル、メスはグワッグワッと鳴く。

    類似種とその識別

    メスは地味な色調のため、識別がやや難しいが、他種と異なり、目立たない冠羽と灰色がかった頭部により、区別できる。

    コガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。ただし、本州の山地や北海道では少数が繁殖。

    特徴

    全長は約40cmで、胴体はハトよりやや大きい。日本産カモ類では最小。翼が長いので、飛翔中はハトよりかなり大きく見える。雌雄異色・同大。 オスは、白色の水平線を有する灰色の体と栗色の頭部、目の周囲から首の後ろにかけての緑色、尾部のクリーム色などが目立つ。メスは他のカモ類のメスと同様に、全体が褐色の地味な色調。

    習性

    陸ガモの一種で、水面に浮いたまま採餌を行う。植物食。湖沼や河川などの淡水域に多く、小河川や池沼などでも良く見かける。ヒュルヒュルという笛のような特徴的な鳴声を発する。 よくヨシなどの水際の植物の中に紛れ込んでおり、鳴声でその存在を知ることも多い。身が軽く、羽ばたきが速く、飛翔速度も速い。営巣場所は地上(水辺近くの草むら)。

    類似種とその識別

    メスは地味な色調のため、識別がやや難しい。小型のカモ類としては、他に非狩猟鳥のトモエガモがいる。

    オナガガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。

    特徴

    全長はオスが約75cm、メスが50cmで、胴体はカラスよりやや小さい中型のカモ。メスはオスよりも一回り小さい。雌雄異色。名前のとおり、尾羽が長いこと(オスは特に尾羽が長い)、細長い黒褐色の頭部、前面の白い首、灰色の体部などが目立つ。 メスは他のカモ類のメスと同様に、全体が褐色の地味な色調だが、やや灰色がかった褐色で、尾羽がやや長い。

    習性

    陸ガモの一種で、水面に浮いたまま採餌を行う。植物食。湖沼や河川などにいることが多い。夜間、草地や農地などに採食のために飛来するものが多い。しばしば大群をつくっている。オスはプリープリープリー、メスはクワックワッと鳴く。

    類似種とその識別

    メスは地味な色調のため、識別がやや難しいが、長い尾羽と特徴的な細長い体型により区別できる。

    ヒドリガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来するが、北海道では厳冬期には少なくなる。冬鳥。

    特徴

    全長は約50cmで、胴体はカラスよりやや小さい中型のカモ。雌雄異色・オス大。 オスは、赤褐色の頭部と額から頭頂にかけてのクリーム色、灰色の休部とのコントラストが目立つ。メスは他のカモ類のメスと同様に、全体が褐色の地味な色調だが、やや赤みがかった褐色。

    習性

    陸ガモの一種で、水面に浮いたまま採餌を行う。植物食。湖沼や河川などにいることが多いが、アオサの茂る干潟域でも普通に見られる。 夜間、草地や農地などに採食のために飛来するものが多い。海苔の養殖場に加害することがある。ピューイ、という大きく通る鳴声で存在を知ることも多い。

    類似種とその識別

    メスは地味な色調のため、識別がやや難しいが、他種と異なり、くちばしが小さく、先端が黒くてその他の部分は青灰色であること、脇腹は赤みが強く、斑の入らない一様なのっぺりした色調であることなどにより区別できる。

    ハシビロガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。ただし、北海道では繁殖例もある。

    特徴

    全長は約50cmで、胴体はカラスぐらいの大きさのやや大型のカモ。オスの方がメスよりも大きい。雌雄異色。オスは、光沢のある黒い頭部、黒色の背而、栗色の脇腹とそれを取巻く白色部のコントラストが目立つ。 メスは他のカモ類のメスと同様に、全体が褐色の地味な色調。雌雄ともにショベル状の扁平で大きなくちばしを持つ(カモ類の中ではもっとも巾が広い)。

    習性

    陸ガモの一種。湖沼や河川などに生息する。扁平で大きなくちばしを水面につけながら草の種などの植物質を採餌する。そのうつ伏せの様な低い体型で泳ぐ姿が特徴的。

    類似種とその識別

    メスは地味な色調のため、識別がやや難しいが、ショベル状の扁平で大きなくちばしを持つことで他種と区別できる。

    ホシハジロカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。ただし、北海道では繁殖例もある。

    特徴

    全長は約45cmで、胴体はカラスより小さい中型のカモ。雌雄異色・オス大。雌雄ともに頭部の形状はオニギリ型である。 また、オスは、頭部が赤褐色で、灰色の体部とそれを挟む胸部および尾部の黒色が目立つ。メスも基本的にオスと同様の配色だが、より地味な色調で赤みを欠く。

    習性

    海ガモの一種。多くは内湾や湖沼などに生息するが、内陸の湖沼や大河川などでもみられる。キンクロハジロやスズガモと一緒にいることが多く、水中に潜水して水底の貝類等の動物質を採食する。クルルクルルと鳴く。

    類似種とその識別

    オスは他種と見間違えることは少ない。メスも、地味ではあるがオスに似た配色であること、頭部がオニギリ型の形状であることにより区別できる。

    スズガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。

    特徴

    全長は約45cmで、胴体はカラスよりやや小さい中型のカモ。雌雄異色・オス大。オスは頭部から胸部にかけてと尾部の周辺が黒色で、灰色の背部と純白の脇腹との明瞭なコントラストが目立つ。頭部の丸みが強く、眼は金色で、くちばしは大きく、鮮やかな青灰色だが先端は黒色。 メスも基本的にオスと同様の配色だが、より地味な色調で全体が黒褐色。くちばしも黒褐色で、先端近くに鈍い青灰色のバンドがあり、付け根の周囲が白色帯に囲まれている。

    習性

    海ガモの一種。内湾や河口、港湾などにいることが多いが、内陸の湖沼や大河川などでも見られる。ホシハジロやキンクロハジロと一緒に大群をつくっていることが多い。 主に動物食で、水中に潜水して水底の貝類などを食べる。あまり鳴かないが、オスはククーと小声で鳴き、メスはクルルクルルと鳴く。

    類似種とその識別

    オスメスとも色調が狩猟鳥のキンクロハジロによく似ている。キンクロハジロは、小型で冠羽があること、頭部が扁平に見えることなどにより、スズガモと区別できる。 また、オスについては、背部が、スズガモでは明るい灰色だが、キンクロハジロでは黒色であることなどによっても区別できる。 非狩猟鳥のホオジロガモ、アカハジロ、ビロウドキンクロ、シノリガモなどのメスも、スズガモのメスと似た黒褐色の地色をしているが、いずれもスズガモのメスのようなくちばしの付け根の白色帯を欠くことで区別できる。

    キンクロハジロカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。ただし、北海道では少数が繁殖。

    特徴

    全長は約40cmで、胴体はハトよりやや大きい小型のカモ。雌雄異色・オスやや大。オスメスともに、後頭部に長い冠羽があり、眼が金色。また、オスは、黒色の体部と純白の脇腹とのコントラストが顕著で、くちばしは先端の黒色を除き青灰色である。 メスも基本的にオスと同様の配色だが、より地味な色調であり、全体がほぼ黒褐色で、冠羽はオスよりも短く、くちばしもより黒っぽい。

    習性

    海ガモの一種。内湾や湖沼などにいることが多いが、内陸の湖沼や大河川などでも見られる。ホシハジロやスズガモと一緒に群れをつくることが多い。水中に潜水して水底の貝類等の動物質を採食する。あまり鳴かない。営巣場所は地上(水辺近くの草むら)。

    類似種とその識別

    オスメスとも、色調がスズガモによく似ている。スズガモはより大型でくちばしや頭部が大きく、頭部の丸みが強くて冠羽がない。また、オスの背は、キンクロハジロでは黒色だが、スズガモでは明るい灰色である。

    クロガモカモ目カモ科

    分布

    全国的に渡来。冬鳥。

    特徴

    全長は約50cmで、胴体はカラスよりやや小さい中型のカモ。雌雄異色・オス大。オスは全体が黒色で、くちばしも黒いが、付け根の上面に鮮やかな黄色のコプが目立つ。メスは地味な色調で、全体がほぼ暗褐色だが、ほおから首の前にかけては汚白色。

    習性

    海ガモの一種。沿岸などに生息し、特に外洋に面した急崖の海岸に多い。通常は、内陸の湖沼などでは見られない。主に動物食で、水中に潜水して水底の貝類などを食べる。オスはピー、クイ、メスはクルルルと鳴く。

    類似種とその識別

    オスは他種と見間違えることは少ない。非狩猟鳥のビロウドキンクロも全身がほぼ黒色だが、ビロウドキンクロは眼の周囲や翼に白色部があり、くちばしの色や形状も異なることから区別できる。 オオバンも全身が黒色であるが、オオバンはくちばしと額(額板)が白く、淡水域に生息するため、区別できる。

    ハト目

    キジバトハト目ハト科

    分布

    全国的に分布。留鳥。雪の多い地域では、冬期に南下する。

    特徴

    全長は約33cmで、胴体はハトぐらいの大きさ。雌雄同色・同大。全体が明るい茶褐色で、首の側面に黒色と淡褐色~灰青色の横縞がある。翼は黒褐色だが、縁は赤褐色。

    習性

    平地から亜高山にかけての森林や疎林などに生息し、市街地の公園や民家の近くなどにも普通に見られる。耕地や人家付近の林に小群で生活する。デデッボウボウと良く鳴く。 植物食で、地表の植物質のものを良く食べるため、豆畑などに加害する。営巣場所は樹上。昼行性で、夜間は樹上の茂みなどでねぐらをとる。

    類似種とその識別

    ハト類では、シラコバト(非狩猟鳥)は全身が灰色で白っぽいこと、アオバト(非狩猟鳥)は全身が緑色で顔から胸にかけては明るい緑色であること、 カラスバト(天然記念物。非狩猟鳥)は本州中部以南の太平洋岸の離島などにごく少数が繁殖していて全身が黒っぽいことと、キジバトは全体が明るい茶褐色で首の側面に縞模様があることなどにより容易に区別できる。 ドバト(非狩猟鳥)はキジバトよりやや大柄で、翼がやや長い。

    カツオドリ目

    カワウカツオドリ目ウ科

    分布

    全国的に分布する留鳥であるが、北海道では局所的で、九州や四国以南では主に冬に見られる。

    特徴

    全長およそ80cmでカラスよりずっと大きい。雌雄同色同大で、全体黒色ないし黒褐色。カモ類に似た体型だが、嘴が細長く先端が鉤状で、尾羽が長い。成鳥では目の後方から下方にかけての頬に、羽毛のない白っぽい裸出部がある。 また、下嘴基部には黄色の裸出部があって後方に丸くわずかに突出する。繁殖期の成鳥は、背面が褐色に変化し、胸部や腹部の黒色とコントラストを成す。

    習性

    平野部の湖沼や河川、内湾などに生息し、海上に出ることはほとんどない。繁殖時は小島など人気のない場所の林の樹上に巣を掛け、多数個体の集合したコロニーを形成する。コロニーではグガァグガァなど、やかましく鳴声をあげる。

    類似種とその識別

    非狩猟鳥のウミウとは体型や体色などがよく似ていて識別が難しいが、カワウが淡水域を好むのに対し、ウミウは主に海域に生息する。

    ペリカン目

    ゴイサギペリカン目サギ科

    分布

    全国的に分布するが、冬期は関東以南に多い。留鳥。

    特徴

    全長は約60cmで、胴体はカラスぐらいの大きさ。雌雄同色・同大。成鳥と幼鳥で体色が異なる。成鳥は、頭頂~背が黒色~灰色で、腹面が白色である。後頭部に数本の白くて細長い飾毛がある。普段は、首を縮めているので、首が太く短く見える。

    習性

    動物食で、夜間、河川や池沼などの水辺に移動して、小魚などを採食する。夜行性。養魚場に加害することもある。本種のみか、他のサギ類とともにコロニーを形成して樹上で営巣する。クアークアーと鳴く。

    類似種とその識別

    非狩猟鳥のササゴイが良く似ているが、ササゴイの方がやや小さい。また、ササゴイには、成鳥では黒く太い冠羽や翼の上面に笹の葉に似た模様があること、幼鳥では黒色がかった地色をしていることなどでゴイサギと区別できる。

    ツル目

    バンツル目クイナ科

    分布

    全国的に分布。主に夏鳥。ただし、九州以南などでは留鳥。冬は大部分が南下してしまい、数が少なくなる。

    特徴

    全長は約30cmで、胴体はハトよりやや大きい。雌雄同色・同大。全体は黒褐色で、脇腹と尾の付け根の下面に目立つ白色部がある。くちばしは赤色で、先端が黄色。 首を前後に振りながら泳ぐ。幼鳥は全体にくすんだ暗褐色で、くちばしの赤色も薄い。尾は短く、みずかきはない。

    習性

    主として平野部の湿地、池沼、河川、ハス田などに生息。警戒心が強く、水辺の草薮などに潜んでいることが多い。潜水がうまく、くちばしだけ水面上に出して呼吸し、敵がいなくなるのを待つこともある。 水面を低く飛ぶ。植物食で、水辺で採食する。一夫多妻。水辺の草むらで営巣する。

    類似種とその識別

    やや似ているものとして、非狩猟鳥のオオバンやヒクイナが挙げられる。オオバンは、大型であり、くちばしから額板にかけてが白く、それ以外の体色が全身黒色であることなどによりバンと区別できる。 ヒクイナは、より小型で赤みが強いこと、遊泳することは稀なことなどによりバンと区別できる。

    スズメ目

    ニュウナイスズメスズメ目スズメ科

    分布

    全国的に分布するが、分布域はかなり局所的。冬鳥。ただし、本州の山地や北海道の森林では少数が繁殖。

    特徴

    全長は約14cmで、胴体はスズメぐらいの大きさ。雌雄異色・同大。オスは頭頂から背部にかけての上面と腰が明るい栗色で、腹部は汚白色。メスはより地味な淡褐色、腹面が汚白色で、眼の上部にはっきりとした眉斑がある。 雌雄ともに、スズメにあるほおの黒斑を欠く。

    習性

    主として平地から山地の集落周辺の樹林地や耕作地などに生息する。昼行性。雑食性で、冬期は地上で草の種などの植物質をよく採食する。繁殖期以外は群生し、特に秋は百羽以上の群れをつくることがある。営巣場所は樹洞など。

    類似種とその識別

    体型や鳴声、生息環境などが狩猟鳥のスズメにかなり似ているが、スズメはほおに黒斑があることにより区別できる。

    スズメスズメ目スズメ科

    分布

    全国的に分布。留鳥。

    特徴

    全長は約14cm。雌雄同色・同大。上面は茶褐色で頭部がより濃色、腹面はくすんだ白色で、ほおに特徴的な黒斑がある。

    習性

    人為環境との結びつきが強く、平野部から山地にかけての市街地、集落、農耕地などに普通に見られる。人家の軒先などに営巣する。繁殖期以外は群生し、特に秋は百羽以上の群れをつくることがある。 雑食性で、繁殖期は虫などを捕食するが、稲の乳熟期には大害を与えることがある。

    類似種とその識別

    体型や鳴声、生息環境などが狩猟鳥のニュウナイスズメにやや似ているが、ニュウナイスズメは雌雄ともにほおにスズメ特有の特徴的な黒斑がない。

    ヒヨドリスズメ目ヒヨドリ科

    分布

    全国的に分布。留鳥だが、国内で季節的に移動する漂鳥。

    特徴

    全長は約28cm。雌雄同色・同大。比較的尾が長い。全体が灰色で、南方のものほど下腹部を中心に褐色味が強くなる。ほおは茶褐色で、腹と脇腹の羽の縁は白色。くちばしは黒い。

    習性

    繁殖期が終わって秋頃になると人里へやってくる。主として平野部から山地にかけての森林や疎林に生息。市街地の庭や公園、果樹園などにも普通に見られる。昼行性。雑食性だが、植物質のものをよく食べ、果実や花蜜を好む。 冬期、農作物に加害することがある。波型の独特の飛翔形(羽ばたきと滑翔を交互に繰り返す)を見せるのが特徴。ピィョピィョと甲高い声で良く鳴く。1羽が鳴くと次々に集まってくる。営巣場所は樹上。

    ムクドリスズメ目ムクドリ科

    分布

    全国的に分布。留鳥(福島以北では夏鳥)。夏は福島以北で多く、冬は関東以南で多い。

    特徴

    全長は約25cm。雌雄同色・同大。全体が暗褐色で、オスは頭部が黒褐色。ほおと腰が白色であること、くちばしと脚が明るいオレンジ色であることが特徴。ほおの白色部は個体によって大きさが異なり、ほとんどない個体もいる。

    習性

    平地から山地にかけての農耕地や市街地などに生息し、人家の庭や公園などにも普通に見られる。昼行性で、夜は竹薮や樹林に大群でねぐらをとる。冬季などには1万羽以上の大群が見られることもある。 雑食性で昆虫類もよく食べ、田畑の虫を大量に採るため、江戸時代からツバメと並ぶ田畑の2大益鳥として大切にされてきたが、果樹等に加害する場合もある。

    類似種とその識別

    大きさはヒヨドリやツグミ類などに類似するが、暗褐色の地色と白色のほおと腰、明るいオレンジ色のくちばしが判れば特に識別に困る種はない。

    ミヤマガラススズメ目カラス科

    分布

    冬鳥。主に本州西部、四国、九州に渡ってくるが、近年北陸地方や東北地方、北海道などにも現れるようになってきている。

    特徴

    全長は約50cm弱。雌雄同色・同大。全体がやや光沢のある黒色。成鳥はくちばしの付け根の周囲に羽毛がなく、裸出部は灰白色だが、若鳥ではその部分が羽毛に覆われていて黒色。くちばしはハシボソガラスよりもさらに細く、額が角張って見える場合が多い。

    習性

    平野部から山地にかけての農耕地などに渡来する。昼行性。ほとんどの場合群れをつくっていて、数十から数百羽の群れで行動することが多い。ハシボソガラスやハシプトガラスの群れよりも密集した群れを形成する。雑食性で、畑などの地上で採食することが多い。

    類似種とその識別

    ハシボソガラスに似ているが、ミヤマガラスは密集した群れを形成することが多いこと、くちばしの付け根が灰白色であることなどが異なる。 コクマルガラス(非狩猟鳥)の暗色型と呼ばれる個体は全身黒色で紛らわしいが、コクマルガラスはより小型であること、くちばしが体に比べてとても小さく、黒色であることなどにより区別できる。

    ハシボソガラススズメ目カラス科

    分布

    全国的に分布。留鳥。

    特徴

    全長は約50cm。雌雄同色・同大。ミヤマガラスよりはわずかに大きい。くちばしや脚も含めて全身が黒色で、上面には紫がかった光沢がある。

    習性

    主として平野部から山地にかけての市街地、集落、農耕地などに普通に見られる。ハシブトガラスよりも開けた環境を好み、森林域や高山帯などにはほとんど見られない。 雑食性で、地上や樹上などで採食。昼行性。秋冬季には耕地に大群で集まることがある。営巣場所は樹上。

    類似種とその識別

    胴体の大きさは、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラスの順に大きくなる。くちばしの太さ・大きさも、この順に大きくなる。また、頭頂部の丸みも、それぞれに異なる。

    ハシブトガラススズメ目カラス科

    分布

    全国的に分布。留鳥。

    特徴

    全長は約57cm。雌雄同色・同大。くちばしや脚も含めて全身黒色で、上面には紫がかった光沢がある。くちばしが強大で、著しく太いことが特徴。 ただし、伊豆諸島や沖縄諸島などのハシプトガラスは、本土産のものに比べて、くちばしがさほど太くないので注意を要する。

    習性

    主として平野部から亜高山にかけての市街地、農耕地、森林域、海岸など様々な環境に普通に見られる。雑食性で、地上や樹上などで採食する。営巣場所は樹上。昼行性。

    類似種とその識別

    成鳥では、ハシボソガラスと比べて、額とくちばしとの境の角度が直角に近い。北海道では非狩猟鳥のワタリガラスとの判別が必要であるが、ワタリガラスの方がはるかに大きい。

    チドリ目

    タシギチドリ目シギ科

    分布

    全国的に渡来。本州中部以北では旅鳥として春・秋季に渡来。ただし、本州中部以南では冬鳥。猟期中は南下するため、雪の多い関東以北では少ない。

    特徴

    全長は約30cmで、胴体はハトよりやや小さい。雌雄同色・同大。くちばしが非常に長く、全体が褐色で、淡褐色や黒褐色の細かい模様に覆われている。 全体的に淡褐色の横斑があるが、くちばしの付け根から側頭部、眼の後方、ほおにかけては、黒褐色の綿状の横斑が入る。

    習性

    主として平野部の内陸湿地や水田、ハス川などの泥地に渡来する。警戒心が強く、人などが近づくとその場にじっと身を伏せ、近づきすぎるとジェっと鋭く鳴いてすばやく飛び立ち、雷光型にジグザクに飛翔して舞い上がる。 渡来当初は、十数羽で群れをつくっている。餌は、主に水生昆虫類やミミズなどの動物質で、水辺で採食することが多い。

    類似種とその識別

    近縁種に非狩猟鳥のオオジシギやチュウジシギ、ハリオシギ、アオシギなどがいるが、いずれも体型や色調が酷似していて簡便な識別ポイントはない。熟達した野鳥観察者でも識別に困ることが多いので注意を要する。

    ヤマシギチドリ目シギ科

    分布

    全国的に分布。主に冬鳥だが、北海道では夏鳥で、中部地方以北の本州では夏鳥または留鳥。

    特徴

    全長は約30cmで、胴体はカラスぐらいの大きさ。雌雄同色。オスやや大。全体はやや暗い褐色で、黒褐色や茶褐色の細かい斑が点在している。 くちばしが細くて長いこと、頭部が体に比べて大きくオニギリ型であること、眼が頭部の上部やや後方に位慨すること、などが特徴。

    習性

    平地から山地の森林域やその周辺の草地などのうち、比較的湿気の多い環境に生息する。普通単独でいることが多いが、渡ってきた当初などは数羽が連れ立っている。夜行性で、昼は林床で休んでいることが多い。 動物食で、夜間、畑・水田・山中の道端などで、長いくちばしを地面に刺して虫などをとる。飛び立つ時は、木の梢に向かって高角度で舞い立つ。林内の地上で営巣。

    類似種とその識別

    南西諸島には非狩猟鳥のアマミヤマシギが分布している。両種は羽の模様や眼の位憧、後頭部の暗色帯の配腫などが微妙に異なるものの、体型、体色、習性などが酷似していて野外での識別は難しい。

  • (イラスト提供 藤岡奈保子、松原巌樹、山本正臣)

    ネコ目

    ヒグマネコ目クマ科

    分布

    北海道のみに分布。

    特徴

    頭胴長はオスで約200cmを超える。雌雄同色・オスの方が大型。体重は400kg以上に達するものがいる。日本産最大の大型陸生哺乳類である。 全身が褐色ないし黒褐色で、頭部が著しく大きく、耳が丸いことが特徴。尾は極めて短く目立たない。

    習性

    海岸から高山まで広く分布し、森林などの様々な環境を利用するが、奥山の森林に多い。雑食性で、ツキノワグマに比べて肉食の傾向が強いが、フキやミズナラの実などの植物もよく採食する。 およそ12月中旬から4月下旬にかけて樹洞・土穴などで冬眠し、そこで繁殖する。農作物や畜産物に加害する場合がある。

    ツキノワグマネコ目クマ科

    分布

    本州、四国、九州に分布。ただし、九州では絶滅。四国地方では生息数が少ない。

    特徴

    頭胴長は約100~150cm。体重は100kgを超えるものもいる。雌雄同色。ややオスの方が大型。全身が黒褐色で、ほとんどの個体には、胸にその名の由来となっている白っぽい月の輪模様がある。

    習性

    平野部から高山まで広く見られるが、主としてブナ林を中心とする奥山の森林に生息する。木登りが得意で、ブナやミズナラ、ヤマブドウの実などを樹上で採食することも多い。葉の落ちた晩秋には、その採食跡の円座(クマダナ)がよく見られる。 暖地に生息する個体などの一部を除いて、多くの個体は冬眠する。冬眠は樹洞や土穴などを利用し、そこで繁殖する。雑食性で、農作物や造林木などに加害することがある。

    捕獲制限

    三重県、奈良県、和歌山県、島根県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県では捕獲禁止

    アライグマネコ目アライグマ科

    分布

    主に北海道や東海地方に分布。北中米原産の移入種。ペットなどが野化したもの。

    特徴

    頭胴長は約50cm、尾長は約30cm。雌雄同色・同大。体毛は灰褐色で、眼の周りにはっきりした黒色のマスク模様があること、尾に黒色の輪があることが特徴。体毛が長く、ずんぐりした体型をしている。手先が器用なため、各地で脱柵して野化する個体が多い。

    習性

    平野部を中心として、森林や公園、農耕地、市街地などの水辺に生息する。河畔の潅木林などに多く、巣穴を掘って群れで生活し、 陸上や水辺で果実や小動物などを採食する雑食性。夜行性でよく水の中に入る。木登りは、タヌキと同様に上手。土穴で繁殖。

    類似種とその識別

    大きさ、体型、体色、食性、生息難境などが狩猟獣のタヌキに似ている。アライグマの方が眼の周囲のマスク模様がはっきりしていること、タヌキの尾はほとんど一様に淡褐色であることなどが異なる。

    タヌキネコ目イヌ科

    分布

    沖縄を除き、全国的に分布。

    特徴

    頭胴長は約60cm、尾長は約15cm。雌雄同色・オスやや大。全身が淡褐色で、眼の周囲と四肢、尾の先端がほぼ黒色であり、首の側面や尾などはやや淡色。体毛が長く、ずんぐりした体型をしている。

    習性

    郊外の住宅地周辺から山地まで、林地や草原などの様々な環境に生息している。春季から秋季にかけては土中に巣穴を掘って家族群で生活する。繁殖も土穴。人里にもよく出没し、夜行性で、夜間ゴミ捨て場などをうろつくことも多い。 人気の少ない尾根筋など、一定の場所に糞をする「タメ糞」と呼ばれる習性がある。 敵が接近すると、足跡をくらますために、ぴょんと横へ跳んで逃げる。木登りが上手。雑食性で、農作物等に加害する場合がある。

    類似種とその識別

    大きさ、体型、体色、食性、生息環境などが狩猟獣のアライグマに似ているが、アライグマは移入種で野生化している地域は限られていること、眼の周囲のマスク模様がはっきりしていること、尾には黒色の輪があることなどが異なる。

    キツネネコ目イヌ科

    分布

    沖縄を除き、全国的に分布。

    特徴

    頭胴長は約60~70cm、尾長は約40cm。雌雄同色・オスやや大。全身は淡赤褐色で、のどから下腹部にかけての下面、四肢の内側と尾の先端はほぼ白色で、耳と四肢の先端は黒色。 また、北海道東部では、近年灰黒色の「銀狐」タイプの個体も稀に見られるという。

    習性

    海岸から高山まで広く分布し、林地や草原などの様々な環境に生息しているが、疎林~背丈の高い草原などでよく見かける。春季から夏季にかけては土中に巣穴を掘って家族群で生活する。 足跡が直線的であることが特徴で、積雪上ではよく目立つ。敵に遭遇すると、小走りに走ってから後ろを振り返り、追跡者の様子を確かめる習性がある。

    テンネコ目イタチ科

    分布

    沖縄を除き、全国的に分布。

    特徴

    頭胴長は約45cmで、尾長は約20cm。雌雄同色・オス大。夏毛と冬毛で体色が異なり、夏毛はやや黒ずんだ黄褐色の体毛で顔が黒く、冬毛は体毛が明るい黄褐色ないし黄色で顔が白い。

    習性

    低山から亜高山にかけての森林などに生息し、特に沢沿いでよく見られる。樹上をよく利用し、樹木があれば人家周辺にも良く出没する。雑食性で果実や昆虫など様々なものを採食する。

    類似種とその識別

    狩猟獣のイタチ(オス)、ミンク、ハクビシンの他、非狩猟獣のクロテン、イタチ(メス)、オコジョ、イイズナと体型が似ている。 イタチ、オコジョ、イイズナの3種は、各々体色が異なるうえにはるかに小型であり、またオコジョとイイズナは冬毛の体毛が白色に換毛するので冬季には識別がさらに容易である。

    イタチ(オス)/
    シベリアイタチネコ目イタチ科

    分布

    イタチとシベリアイタチは別種。イタチは沖縄を除き、全国的に分布。イタチのメスは非狩猟獣。シベリアイタチは本州以南に分布。対馬以外では、朝鮮半島などが原産の移入種。

    特徴

    イタチは、雌雄で大きさが明確に異なり、オスは頭胴長が約30~40cm、尾長が約10~20cmで、メスのおよそ1.5~2倍ほどの全長を有する。 雌雄同色。全身が茶褐色で、腹面は淡褐色。口元は白色であるがその上部から眼の周りにかけては黒色で、明瞭なコントラストをつくる。シベリアイタチはイタチよりやや大きく淡色。

    習性

    主として平野部から低山にかけて生息するが、集落の点在する川沿いではかなり奥深い山地にまでも分布域を広げている。池沼、水田などでよく見かける。 地上や水辺で採食し、畜舎・養魚池、農作物に加害する場合がある。敵に追い詰められると、肛門付近にある臭腺から悪臭を放つ。

    類似種とその識別

    狩猟獣のテン、ミンク、ハクビシンの他、非狩猟獣のイタチ(メス)、クロテン、オコジョ、イイズナに体型が似ている。イタチ(メス)とは酷似するので注意が必要であるが、はるかに小型であること、より濃色である傾向が強いことなどにより区別する。 テンは大型であること、体毛がより明るく口元が白くないことなどにより識別可能。オコジョとイイズナははるかに小型であり、また冬季は体毛が白色に換毛するので判別が容易である。

    捕獲制限

    イタチのメスは非狩猟鳥獣。また、長崎県対馬のシベリアイタチは在来種であり、希少野生生物に指定され捕獲は禁止されている

    ミンクネコ目イタチ科

    分布

    北海道に分布。北米原産の移入種。毛皮獣などとして養殖されたものが野化したもの。

    特徴

    頭胴長は約40cmで、尾長は約30cm。雌雄同大。体色は褐色のものが多いが、淡褐色や灰褐色、黒褐色などの変異がある。

    習性

    平野部の海岸付近の水辺の林地周辺に多く、湿原や湖沼、河川沿いでは内陸部にも進出している。巣は、湖沼や河川の近くに穴を掘ってつくる。 陸上でも活動するが、河川や湖水中に入って甲殻類や魚類をよく捕食することが多く、水面で遊泳する個体を見ることが多い。イタチの拮抗種となってイタチを駆逐するとともに、地上に営巣する鳥類の天敵になっている。

    類似種とその識別

    狩猟獣のハクビシン、テン及びイタチ(オス)の他、非狩猟獣のイタチ(メス)、クロテン、オコジョ、イイズナに体型が似ている。これらのうち、イタチ(オス)やイタチ(メス)、オコジョ、イイズナの各種は大きさがはるかに小さい。 テンは夏毛では顔が黒く、冬毛では白いので、頭部が観察できれば識別は難しくない。クロテンはミンクの一部個体に似た体色であるが、四肢と尾が黒っぽく、頭部が白っぽいことで区別できる。

    アナグマネコ目イタチ科

    分布

    本州、四国、九州に分布。

    特徴

    頭胴長は約50cmで、尾は短く約10cm。雌雄同色・オスやや大。体色はくすんだ淡褐色で頭部淡く、眼の周囲から頭頂にかけて黒褐色。ずんぐりした体型で、四肢が短く暗色。耳が丸く小さい。

    習性

    丘陵地から山地にかけての森林や潅木林などに生息。土中に巣穴を掘って集団で生活する。繁殖も土穴。 夜行性で、日中は巣穴や薮の中に潜んでいることが多いが、時に、夕刻のまだ明るいうちに活動する個体を見ることもある。雑食性で地上で餌を採る。農作物に加害する場合がある。

    類似種とその識別

    ずんぐりした体型からタヌキやアライグマと混同される可能性があるが、タヌキはより四肢が長く、眼の周囲の黒色部は頭頂に達しない。 また、アライグマも眼の周囲の黒色部が頭頂部に達しない他、尾には黒色の環があることで区別できる。

    ハクビシンネコ目ジャコウネコ科

    分布

    沖縄を除き、全国的に分布。中国や東南アジア原産の移入種。

    特徴

    頭胴長は約60cmで、尾長は約40cm。雌雄同色・同大。体色は暗灰褐色だが、顔面が黒色で、鼻部から頭頂部にかけて細い白色の縦線があることが特徴。また、四肢の下部と尾の後半も黒色。四肢は比較的短く、細長い体型で、ややイタチ科獣類に似ている。

    習性

    丘陵地から山地にかけての森林などに生息し、果樹園などにもよく出没する。樹洞・土穴などをねぐらとし、そこで繁殖もする。屋根裏にすむ場合もある。 夜行性でかつ樹上生活者であるために人目に触れることは少ないが、集落周辺にも普通に生息している。雑食性で小動物や果実などを採食し、果樹園のミカンやカキなどに加害する。

    類似種とその識別

    体型はテンなどのイタチ科獣類にやや似ているが、顔が特徴的な配色なので、全身が確認できれば特に識別に困る種ではない。

    ノイヌネコ目イヌ科

    分布

    全国的に分布。ペットなどのイヌが野化したもの。

    特徴

    ノイヌとは、人間の助けを借りずに自然界で自活し、かつ繁殖しているものを言い、一時的に人間から離れて生活している個体は非狩猟獣のノライヌとしている。

    習性

    海岸部から山地の森林などにかけて、林地や草原などの様々な環境に見られ、数頭の小群で生活していることが多い。また、家畜や人を襲うこともある。

    類似種とその識別

    ノライヌと区別することは不可能であり、生息環境や群れの構成数、行動、首輪の有無などから推察するしかない。

    ノネコネコ目イヌ科

    分布

    全国的に分布。ペットなどのネコが野化したもの。寒冷地では少ない。対馬のツシマヤマネコと西表島のイリオモテヤマネコは非狩猟獣。

    特徴

    ノネコとは、人間の助けを借りずに自然界で自活し、かつ繁殖しているものを言い、一時的に人間から離れて生活している個体は非狩猟獣のノラネコとしている。

    習性

    平野部から山地にかけて、林地などの様々な環境に見られるが、市街地や集落の近郊の場合が多い。

    類似種とその識別

    ノラネコと外見上から区別することは不可能であり、生息環境や行動、首輪の有無などから推察するしかない。

    ウシ目

    イノシシウシ目イノシシ科

    分布

    北海道を除き、全国的に分布。沖縄に生息するのは、亜種のリュウキュウイノシシ。 なお、北海道や東京都、静岡県、兵庫県、鹿児島県などの各地では、イノシシの飼育品種群であるブタとの交配により生み出されたいわゆるイノブタが野化している。

    特徴

    頭胴長は約100~150cmで、尾は長め。雌雄同色・オス大。体重は70~110kgだが、200kgに達するものもいる。 頭部が大きく、ずんぐりした体型。鼻先が突き出していて先端が円盤状。オスはキバ(犬歯)が発達していて、オス同士の争いや外敵との闘争などに用いる。

    習性

    平野部から山地にかけての森林や農耕地などに生息する。一晩の行動半径は数km~十数kmに及ぶ場合がある。小さな群れをつくって行動する場合が多い。地上の草むらなどで繁殖する。 雑食性であり、ヤマイモやタケノコなどの植物質のもの、昆虫やヘビなどの動物質のものを採食するために地面をよく掘り起こす。

    ニホンジカウシ目イノシシ科

    分布

    沖縄(一部の島山奥には分布)を除き、全国的に分布。

    特徴

    雌雄、亜種によって大きさがかなり異なる。おおむねオスでは頭胴長が約100~200cm、メスでは約100~150cm。北海道に生息するニホンジカ(エゾシカ)の方が、本州以南に生息するニホンジカ(ホンシュウジカ)より大型。雌雄同色。 体色は季節的にやや異なり、夏毛では黄褐色に白っぽい小白斑を散布し、冬毛では暗褐色の地色で無斑。どちらも尻が白色で、警戒時に拡大する。オスには枝角があり、成熟すると3~4本に分枝する。この枝角は毎年生え変わる。

    習性

    丘陵地から山地にかけての森林などに生息し、特に草地と樹林地帯が入り組んだ地域に多く生息する。草食性で、イネ科草本や木の葉、ササ類の葉などを食す。餌の少ない冬季には、農作物や植林地に多大な被害を与えることもある。

    類似種とその識別

    本州、四国、九州の各本島に分布するカモシカは非狩猟獣。雌雄ともに角があるが黒色で短く、分枝しない。

    ネズミ目

    タイワンリスネズミ目リス科

    分布

    東京都の伊豆大島、神奈川、静岡、和歌山県友ヶ島などに分布。東南アジア原産の移入種。ペットなどが野化したもの。

    特徴

    頭胴長約20cmで、尾も同程度の長さ。雌雄同色・同大。全身が灰褐色。腹部はやや淡色だが、ニホンリスやシマリスのように白く見えることはない。 耳の毛は短く、小さく丸い耳が裸出して見える。尾が太い。

    習性

    平野部から低山の森林や人家の庭、寺社などで見られる。シマリスに比べて茂った樹林に多い。樹上で生活・営巣しているが、時に電線や人家の塀の上などにも現れる。ガッガッガッガッという大きな鳴声を頻繁に発する。 敵が接近すると、木の枝の上で横ばいになって隠れる。植物食。

    類似種とその識別

    非狩猟獣のニホンリスに体型が似ているが、ニホンリスは腹部が白色で、耳の毛が長く、尾はより細い。

    シマリスネズミ目リス科

    分布

    北海道のみに分布。本州などで野生化している亜種のチョウセンシマリス(外来種)も狩猟対象獣。

    特徴

    頭胴長、尾長とも約10cm。雌雄同色・同大。狩猟獣の中で一番小さい。全身が淡褐色で、背部にある汚白色と暗褐色の縦縞が特徴的。眼のまわりも白っぽく、その下部には暗色の縁取りがある。

    習性

    海岸から高山まで広く分布し、森林や疎林、低木林などの樹林帯に生息する。タイワンリスと比べて明るい林に多い。木登りをするが、ニホンリスより下手で、地上生活が多い。 土中に巣穴を掘って地中で生活・繁殖し、冬季はそこで冬眠する。草食性だが、動物質もかなり採る。秋に山間地等で農作物を集団で食害することがある。

    類似種とその識別

    その名の由来となっている特徴的な背部の縞模様により、特に識別に困る種はない。

    ヌートリアネズミ目ヌートリア科

    分布

    本州、四国、九州に分布するが、最近では愛知県、三重県、岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、香川県などに生息。南アメリカ原産の移入種。毛皮獣などとして養殖されたものが野化したもの。

    特徴

    頭胴長は約50cmで、尾長は約40cm。雌雄同色。オスの方がやや大きい。ずんぐりした体型で、体色は暗褐色。頭部は大きく、長い口髭が目立つ。

    習性

    平野部の河川や池沼などの水辺に生息し、遊泳する姿をよく見る。基本的に夜行性で、日中は排水溝の中や橋梁の陰などに隠れていることが多い。水泳も潜水も達者。 繁殖期以外は単独行動をしていることが多い。草食性で、イネやハスなどの農作物に被害を与えることがある。

    類似種とその識別

    水中かまたは水辺に見られるものとして非狩猟獣のマスクラットがいる。マスクラットは北米原産の移入種で、遊泳時にはよく似て見える。 生息地が異なること、ヌートリアの方が約1.5倍大きいこと、マスクラットの尾は扁平であることなどにより区別できる。

    ウサギ目

    ノウサギ・ユキウサギウサギ目ウサギ科

    分布

    ノウサギは北海道と沖縄を除き、全国的に分布。ユキウサギは北海道のみに分布。

    特徴

    頭胴長は約50cmで、尾は短く目立たない。雌雄同色・同大。全身暗褐色で、眼は黒い。耳が長く、後足が強大。 ノウサギのうち本州の東北地方や日本海側の積雪地帯、佐渡に分布するものとユキウサギは、冬季、耳の先端を除いて体毛が純白に変化する。

    習性

    平野部から亜高山にかけての森林域や草原、農耕地などに生息する。夜行性で、日中は草むらなどのねぐらに隠れてじっとしている。 繁殖も地上の草むらなど。単独行動が多く、群れはつくらない。草食性で、幼齢造林木などに加害することがある。

    類似種とその識別

    北海道の渡島大島や松前小島、石川県の七ッ島大島、広島県の大久野島などの一部の島嶼には、アナウサギの飼育品種であるカイウサギが野生化しているが、こちらは地中に穴を掘って群れで生活しており、習性が大きく異なる。

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